Thursday, July 21, 2011

德与政,或曰儒法之间的政治张力以及“传统”的反思(日文版)

つい先ほど知ったことですが、コレージュ・ド・フランスのアンヌ・チャン氏がUTCPの招待で、9月2日と3日に駒場で2度の講演をするそうです。
チャン氏は昨年『中国思想史』日本版を刊行したばかりです。わたしも以前、ごく簡単にここで紹介しました。コレージュ・ド・フランス教授就任記念講演もアップロードしています。UTCPのポスターによると、講演テーマはVirtue and Politicsということですが、詳細はリンク先をご覧ください。
このところ、中国の経済力が持続的に向上するにつれて、中国の国内外では、「中国モデル論」とか「中国価値論」といった議論が盛んに飛び交っています。こうした議論は今日の状況ではたしかにそれなりに必要で意義があるものなのでしょう。しかし、わたしなどは、論者たちが「儒家」なるものに言及するたびに、違和感を感じずにいられません。彼らの言う「儒家」とは結局何のことを指して言っているのでしょうか。二千年に及ぶ長きにわたって続いた経学時代の学術思想史に対する基本的な理解(「じゅうぶんな理解」ではありません。それは少なくともわたしには難しすぎます)を欠いたまま、近代的なボキャブラリーの枠内で「儒家」をイメージし、「伝統」を議論しているのであれば、そのような議論は、結局最終的には空論に終わってしまうのではないでしょうか。
『中国思想史』の叙述方法について、わたしなりの意見がないわけではありませんが(わたしの書評が『中国研究月報』8月号に掲載予定です)、総じて言えば、チャン氏の学問を、わたしは非常に敬服しています。チャン氏の中国と西洋双方の哲学に対する造詣の深さは、今日では、世界的に見ても一、二を争うのではないでしょうか。チャン氏のアプローチは、中国哲学のパースペクティヴを広げるものにちがいありません。近年来の「中国的価値/中国モデル」などといった議論にも、落ち着いた、なおかつ斬新なクリティークを提供できるに違いないと思います。

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