Thursday, July 8, 2010

汉语课堂作业(一年级)

中国語(初級)の授業について、アンケートでは多くの感想が寄せられました。

わたしの授業はとにかく「使える」ことを目指していますので、そのためにいくつかの工夫をしています。特に注意しているのが例文の選択。新出文法をやるときには、既習の単語だけを使った、なるべくシンプルな例文を提供するようにしています。そして、必ずそれを発音すること。見る、聞く、発音するの繰り返しのなかで、文例の定着を促すのがねらいです。その後に作文練習をするよう指定されている場合が多々ありますが、そこでは、なるべくシンプルかつ即興的に文を構成するよう皆さんに要求します。その代わり、使うべき単語はこちらからあらかじめ多めに提示します。実際のコミュニケーションの場では、電子辞書を携えているかもしれません。単語であれば、このようなツールの助けを借りることができますが、それを使ってまとまりのあるフレーズを表現するには、文法的な構成力が必要です。だから、基本的な文型を早く身体で覚えてしまったほうがいいのです。もし自分があてられてしまって、単語が思い出せない場合には、その旨意思表示してください。こちらから提示します。単語がわからなくて作文(発話)のチャンスを逃してしまうのはあまりにもったいない。
作文を即興でやってもらう理由はもう一つあります。それは、間違っていてもいいから、知っている単語を並べて自分の意思を伝えるという度胸を一種のストラテジーとして身につけて欲しいからです。ちょっとサッカーに似ているかもしれません。ゴールにたどり着くためのかたちにこだわるのが、じっくり考えてから発話するやり方、リスクを冒してシュートを放つのが、即興的に文を構成するやり方。前者ならば、正しい文を作れるかもしれませんが、その前にシュートの好機は奪われて、相手のペースで会話が流れていってしまうでしょう。後者であれば、パスがむりめで姿勢がくずれていても、相手にことばが届きます。そうすれば、相手も自分に合わせて会話を修正してくれる可能性が高くなるでしょう。つまり、ゴールが近くなるのです。
もちろん、範文としては規範的で美しいものを繰り返し、聞き、発音する必要があります。(そして、それこそが重要です。)ですから、皆さんが作った文例は必ず規範的なものに言い換えて、板書を見ながら声を出すようにしています。
リスクを冒すことができるのも、地道な練習に支えられた基本スキルが身体にしみこんでいるからでしょう(オランダもスペインも見事ですね)。外国語では、それは基本例文の反復練習(聞く、声に出す、見る、書く)にほかなりません。

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