Tuesday, June 14, 2011

中国思想吗?

前回触れたアンヌ・チャンのコレージュ・ド・フランス教授就任記念講演全文をリンクしておきます。
中国語です。訳がどうなんだろうと思うところもややありますが、フランス語がわからないわたしには確かめるすべもありません。
引用したのは、以下の部分から。

1980年代以降、中国の対外開放政策に伴って、橋が-わたしはこれをハイウェイと呼んでいるのですが-太平洋に渡されました。中国の大学や、アメリカのカレッジではもうすでに不可欠の風景になっていた華僑たちが、アメリカの中国研究と長期的な関係を持つようになりました。しかもそれによって、冷戦時には切り離され敵視しあっていた世界の間の対話が、現実的に再建されることになったのでした。

これは、フランス・シノロジーの中に身を置くチャン氏にとっては苦々しさを伴わずにはいられない現象でした。氏は言います。

毛沢東のくびきから解放された中国知識人はたしかに飢えていたのです。彼らは、西洋から、とりわけ北米の大学からの舶来品へとなだれ込みました。残念なのは、わたしたちの「フランス思想」、例えば、フーコーや、ブルデュー、デリダなどは、アメリカ流社会科学を媒介として中国の知的エリートに吸収されていきました。文化ブーム、ウェーバーブーム、プラグマティズムブーム、構造主義ブーム、脱構築ブーム、ポストモダンブームなどなど、枚挙にいとまがありませんが、みんなそうです。

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