Friday, December 11, 2009

先上课后选课

ある友人から、彼が北京大学で開設することになった集中講義の案内が送られてきました。この記事の標題はその履修方法で、要するに「まず授業に出てからあとで履修選択してください」というもの。と言っても、まず試しに一度聞いてみてから履修するかどうか決めていいですよ、という日本の大学で一般に行われているやり方ではありません。履修説明によると、「今学期の履修登録期間はすでに終了しているので、来学期に改めて登録してください。」というもの。つまり、この授業は当初の履修計画外のものなので、来学期の科目として登録しなおしてください、でも、授業は今学期中にやってしまいますよ、ということです。

こういう臨機応変さはすばらしいものですね。無駄のカット、資源の効率化・システム化ということに高い価値が置かれること自体にはそれなりに意味があるのでしょうが、その結果、組織としての機動力とか、構成員の裁量などまでが同時にそぎ落とされてしまうことになると、結局のところ組織全体のエネルギーや価値の低下を招く結果になりかねません。実は、無駄というのは、かなりの程度、組織のバイタリティーとポテンシャルを維持・確保するための「ため」(湯浅誠氏ふうに)、「すきま」(孫歌氏ふうに)にとって不可欠なコストであるとも思うのですが。

さて、ゼミ形式で行われるこの集中講義は、履修対象として、学部生と大学院生(博士課程生を含む)がそれぞれ半分になることが期待されているほか、人文系諸専攻からの越境履修が奨励されています。履修生のバックグラウンドや学歴構成が多様であるほど、ゼミとしては活発なものになることでしょう。このあたりはすぐにでも借りてこられそうなやり方です。

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