Wednesday, May 21, 2008

中国早期启蒙思想的兴起

陳来《历史自觉和文化主体》(《读书》2008年第5期)は、武漢大学の著名な哲学史研究者蕭萐父氏の文集《吹沙集》《吹沙二集》《吹沙三集》(いずれも巴蜀书社,2007年)に対する簡潔な書評となっています。蕭氏には李錦全氏との共著になる『中国哲学史』(人民出版社、1982年)があり、大学の哲学教科書として広く読まれていたようで、かくいうわたしも初めて読んだ中国哲学通史の著作がこれでした。私が当時読んだのは19世紀以降の近代部分だけでしたが、経学史や宋学史のフレームワークとはやや毛色の異なる叙述のしかたが特徴的で、最近ももう一度読み直してみたいと思っていたところでした。陳来氏はこの中で、蕭氏の主要な関心が「中国初期啓蒙思想」の系譜をさぐることにあることを指摘し、侯外廬の流れに連なるものであると述べていますが、その通りなのでしょう。
ほかに、《思史纵横(上)》(武汉大学出版社,2007年)には、陳文でも言及されている《中国哲学启蒙的坎坷道路》、《文化反思答客问》などの80年代の著作が収められています。

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