Tuesday, November 9, 2010

朝鲜数学史(日文版)

川原秀城先生の新著『朝鮮数学史』(東京大学出版会、2010年10月)が最近刊行されました。
周辺から思想史を見るというのが川原先生の一貫した方法で、その科学史研究は主流の思想史叙述では見えてこない重要な視点に満ちています。ここ数年来、朝鮮思想史に注目を向けるようになったのも、これと同じ方法論に立つものでしょう。川原先生ご自身は、専門を超えて思想史の大きなナラティヴに対して何らかのまとまった意見を述べることはありません。おそらくここで重要なのは、わたしたち読者がその著作を通じて、マクロな視点をどう設定するか、そしてそれをどのように自分の専門に生かしていくのか、ということなのかもしれません。

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