Friday, October 1, 2010

长春、吉林之行

9月26日から30日までの日程で、吉林省(長春、吉林両市)で当地における「儒家復興」の現状を調べてきました。
もとより実証的な地域研究をしているわけではないので、学術的なフィールドワークというにはほど遠いものだったと思いますが、久しぶりに中国の巷の風にどっぷり浸かることができて、わたしとしてはとても居心地のよい数日でした。東北地方のもつハイブリッドな文化、開拓移民のフロンティアならではかと思わせるような素朴で実直な人々の気質が、今回はじゅうぶん肌で感じられました。
祭孔大典の一幕
肝心の「儒家復興」ですが、孔子生誕2561年の祭礼に合わせた訪問でした。いわゆる「harmonious society」建設という現政権のイデオロギー政策と文化産業による経済発展戦略とがうまく結びつきながら、物質生活では得ることのできない精神的価値に対する幅広いニーズをうまく取り込む一方で、さまざまな背景ゆえに精神的な救済の可能性に賭ける、まさに「Confucian piety」(今回のフィールドワークの主題です)を体現する一部の人々の拠り所としても機能しているという、おおむね予想通りのすがたを見ることができました。







昼下がりの松花江
初めて訪れた吉林市は風光明媚な庭園型都市で、長春よりも歴史が長い分、東北地方の文化的多様性もよりはっきりと視覚的に感じることができました。とりわけ目を引いたのが、巨大なモスク(遠目に見ただけだったので写真に納められなかったのが残念です)とカソリック教会。教会は1917年にフランス人宣教師が建てたということで、中では敬虔な信者たちの祈りのすがたを見ることができました。

より詳細なレポートはUTCPブログにアップしてありますので、興味のある方はどうぞ。
松花江のほとりに聳える教会

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