Saturday, May 5, 2007

中文网络公共空间

中国のネット人口は1億3千万人いるそうです。そのうち、携帯電話からネットに接続している1700万人をを除いたとしても1億人を超える人が毎週1時間以上、インターネットを閲覧しているということになります(中国互联网络信息中心第19次中国互联网络发展状况统计报告,2007年1月公布)。
「人多力量大(人が多ければ力も大きい)」とはよく言ったもので、この1億人の裾野を持つ中国語のネット環境は多彩な広がりをもっているようです。日本でも中国のネット言論について、例の小泉首相(当時)の靖国神社参拝や、日本の国連常任理事国入りに対する反対運動が盛んだったころに、ずいぶん注目されました。残念ながら、断片的に紹介される状況は興味本位のものが多く、中国語のインターネット空間で展開されている多彩な議論の質に関する問題になかなか届かないようです。
中国を研究対象にしている方々であれば、もはや当たり前の常識になっていますが、中国語のインターネット空間で形成されている知的言説の多様さと広がりは、実にうらやむべき状況を呈していると言えます。他言語を支持していないのが何より残念なのですが、下の方に、いくつかリンクを貼り付けておきます。
こうしたサイトで繰り広げられている学術・思想的言説のなかには、ネット上で初めて公開され、あちらこちらに転載されていくもの、紙媒体の出版物に掲載されたものが、読者らによって転載されていくものなどがありますが、なかには、香港の『二十一世紀』(香港中文大学)のように、学術雑誌でありながら、過去に掲載された論文をネット上で再公開しているような例もあります。それはこうしたアカデミズム系のものばかりではなく、例えば、『南方周末』『三联生活周刊』のようなジャーナル系の新聞・雑誌も、記事をネット上に公開しています。
もともとこのブログを立ち上げた目的のひとつにも、これらの中国語サイバー空間の知的言説を多少なりとも日本語で紹介したいというのがありました。いずれにしても、こうしたハイレヴェルの言論空間がネット上で展開されている状況は、何ともうらやむべきものであると感じます。

「学術中国」:学術系サイトの代表格。
「思与文」:華東師範大学中国近代思想文化研究所が運営するサイト。
「左岸文化」:文芸批評中心のサイト。
「中国現象学」
「UTOPIA乌有之乡」

以上挙げたのはわたしが時々訪れることのあるサイトの一部にすぎません。これからも、おもしろい文章があれば、暇を見つけて紹介していく所存です。ラベル「译介(中译日)」をご覧ください。

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