Sunday, September 5, 2010

鄂尔多斯的坂本(日文版)

“鄂尔多斯”、つまり「オルドス」というのは、黄河が中流域で大きく北に湾曲する原因になっている高原地帯のうち、万里の長城よりも北側の、もと遊牧地域を指します。
80年代から90年代のころ、良質なカシミヤの生産地として一躍有名となり、21世紀に入ってからは、純度の高い無煙石炭や天然ガスの供給基地として、全国平均を上回る経済発展を続けている地域です。もう15年も前のことになりますが、わたしも彼の地にしばらく滞在していました。そのころはまだ経済の急速発展は始まっておらず、その後のようすについては聞きかじりにすぎません。だから、わたしのイメージの中では、やはり、乾燥地帯としてつねに砂漠化と戦っている場所という印象があります。もちろん、まだその状況は変わっていませんし、見方によってはより悪化しているのですが。
当時、わたしよりも少し早く、もう一人の日本人がいました。現地の中学校で教鞭を執っていた彼は、いま、オルドスと日本を結ぶ貿易に従事しており、教員時代に培ったネットワークをいかして、砂漠化や貧困などの問題に取り組んでいます。その坂本毅さんからメールが届き、活動の内容を詳しく知ることができました。よく似たNPO活動は多くありますが、彼の特別なところは、まずその堅実性でしょう。砂漠に木を植えるというとどこかロマンを誘うひびきがありますが、実際にはそのようなロマンチシズムだけでは必ずしも功を奏するわけではなく、より重要なのは、いかに適切に現地のニーズを把握するかということです。この点で、ご自身の学生とのネットワークを存分に活かした坂本さんの活動は地に足が着いているようすが顕著に感じられ、ユニークかつ有意義に思われます。
何はともあれ、坂本さん(Banben)の運営するサイトをのぞいてみてください。

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