Friday, December 7, 2007

柏林与中国的自由主义

UTCPのブログで王前氏のエッセイが紹介されていました。バーリンを中心に英米リベラリズム政治思想史を研究している王前氏が1980年代以降の中国における政治思想研究の動向について紹介したものです(「ベンヤミン、丸山、バーリン、そして中国思想界近況一瞥」)。バーリンといえば、わたしが知っているのは自由の概念を積極的自由と消極的自由に分けたこと、ハリネズミと狐のたとえぐらいのものです。後者は日本語でも岩波文庫に入っているようですね(『ハリネズミと狐』)。王前氏の紹介を読んで改めて再確認されたのは、バーリンがロシア出身のユダヤ人であったということと彼のその後の政治理論との間の関係についてです。中国でのバーリンに対する受容のされ方にもこのあたりの背景が直接間接に作用しているのでしょう。
それにしても、中国では欧米政治思想がかなり幅広い関心を呼び続けているにもかかわらず、なかなかその様子は日本語で伝えられてきませんので、このようなお仕事はたいへん貴重なものだと思います。今後の王前氏の活躍に期待。

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