Monday, February 18, 2013

2013年度夏学期学部后期班课程计划

2013年度夏学期、後期課程(現代思想コース/アジア・日本研究コース)での担当授業シラバス(抄録)は次のとおりです。詳細は、UT-mateを参照してください。


講義題目 現代中国の憲政史論と西洋政治思想
授業の目標・概要 辛亥革命によってアジアで最初の共和国が中国に誕生してから100年が経過した。この授業では、最近中国で発表された二つの憲政史論を検討し、今日の中国における憲法理論の意義を問いなおす。同時に、それらの議論が参照している西洋政治思想のテクストを講読し、今日の中国思想界がどのように西洋政治思想を読んでいるのかの一端に触れる。
授業計画 一学期間の授業は3部構成を予定している。第1部では、清朝から共和国への転換を憲政史的に叙述した最近の著作を取り上げ、中国憲政史の概略と問題点を俯瞰的に把握する。第2部では、西洋の憲法理論、とりわけカール・シュミットの『憲法論』を講読する。第3部は、以上の議論を踏まえ、中国近代憲政理論のなかでもユニークな著作を取り上げて分析する。
第1部  1911年から1917年までの中国憲政史概説
 1 多民族王朝国家の近代転換
 2 辛亥革命における「大妥協」
 3 清末民初期の「主権在国論」
 4 康有為の憲法草案と袁世凱の憲政
 5 立憲君主制とその挫折
第2部 カール・シュミット『憲法論』講読
 6 『憲法論』第1章~第3章
 7 『憲法論』第4章~第6章
 8 『憲法論』第7章~第9章
 9 『憲法論』第10章~第11章
 10 カール・シュミット『合法性と正当性』
第3部 「清帝遜位詔書」の再評価をめぐる憲政理論検討
 11 中華民国の成立と憲法の創設
 12 「清帝遜位詔書」の背景(1)
 13 「清帝遜位詔書」の背景(2)
 14 「清帝遜位詔書」読解(1)
 15 「清帝遜位詔書」読解(2)
授業の方法 第1部は、章永楽の著書に基づいた講義を行う。第2部では、日本語訳のテクストを受講生が輪読するゼミ形式の授業を行う。第3部は、高全喜の著書を読解しながら、これまでに得られた知見に基づき、適宜、討論やレポートを作成する。
教科書 章永楽『旧邦新造:1911-1917』(北京大学出版社、2011年)
カール・シュミット『憲法論』(阿部照哉・村上義弘訳、みすず書房、1974年)
カール・シュミット『合法性と正当性』(田中浩・原田武雄訳、未来社、1983年)
高全喜『立憲時刻:論「清帝遜位詔書」』(広西師範大学出版社、2011年)
履修上の注意 教科書に指定してある書籍のうち2冊は中国語によって書かれたものだが、この2冊については、講義によって内容を紹介するので、履修者は中国語ができなくてもまったく問題ない。

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